【ポケスペ考察】図鑑所有者の利き手を考察する①〜投げる手から予想〜
8月といえば夏休み。皆様いかがおすごしでしょうか。
さっそくですが、わたしは夏休みの自由研究としてそんなものはない
ポケスペの図鑑所有者の利き手を考察
してみました。
方法はシンプル、ポケSpedia「ランキング!!ポケSPなんでも◯◯!!!」と同様にひたすらとにかく数えるというものです。
数字は時に主観の盲点を教えてくれるもの。
果たして、どんなデータが出てきたのか…
全2回を予定で、まずは第1回目。
それではお楽しみください〜!
【ブログ主によるつぶやき】
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- はじめに
- もっとも左利きの可能性が高いのは…
- 結果からの気づき
- まとめ
- おまけ①調査における問題・限界点
- おまけ②ノースローにまつわる考察
- おまけ③ホウエン組、カロス組が少ないのはなぜ?
- おまけ④エメラルドを最後に…
はじめに
まずはいきなり結果から参りましょう。
が、その前に前提として
- 調査対象はモンスターボールを「投げる」シーンにおける左右の手の割合
- 単に「持っている」のはカウント外
- 捕獲、てもちの出し入れは区別しない
- プラチナに代表される「手のひらの上で投げずに開閉」はカウント
- つりざお、キュー、蹴る、電子的転送などもカウント。その場合は構えなどから「利き」を推測
- どちらかの手が折れているなどして選択の余地がなかったと考えられるシーンや、両手で投げているシーン、また、胸のモンスターボールのような利き手不明のものはカウント外
- 集計対象は通巻版1〜61巻*1、レッドからワイまで
- 表紙、裏表紙、表題紙、扉絵なども含む
であり、また
- 公式によって利き手が明言されているのはレッドが左利き(両利き)のみ
ということを踏まえ、
- 「全体の平均」「レッドの割合」の2点を基準に推測する
という方法を採っていることを述べておきます。
細かい説明はやる気があればいずれ別の記事にて。ですが読む必要は全くありません。
そしてここ重要ですが、個人でやっている以上データの信頼性は一切保証しません。
悪しからず。
もっとも左利きの可能性が高いのは…
その結果がこちら!
レッドを念頭に置いているので%は左手で投げた割合、左利き度とは可能性ではなく「なんちゃって偏差値」です。
■左利きの可能性の高い図鑑所有者ランキング
※1〜61巻、7回以上該当するシーンのある図鑑所有者
1位:ラクツ
75.0%(6/8)左利き度:73.6
2位:プラチナ
69.4%(25/36)左利き度:70.3 ※要検証
3位:シルバー
47.1%(8/17)左利き度:57.2
4位:エックス
40.0%(4/10)左利き度:53.1 ※要検証
5位:パール
36.4%(4/11)左利き度:50.9
6位:ブルー
35.7%(5/14)左利き度:50.5
7位:グリーン
33.3%(8/24)左利き度:49.2
エメラルド
33.3%(5/15)
ホワイト
33.3%(3/9)
10位:レッド
32.0%(16/50)左利き度:48.4
11位:ダイヤモンド
30.0%(3/10)左利き度:47.2
12位:クリスタル
27.6%(8/29)左利き度:45.8
13位:ブラック
21.4%(6/28)左利き度:42.2
14位:イエロー
20.0%(4/20)左利き度:41.3
15位:ルビー
14.3%(1/7)左利き度:38.0
16位:ゴールド
10.3%(3/29)左利き度:35.7
※以下は該当シーンが少ないため(対象シーンが6回以下)参考までに。
20.0%(1/5)左利き度:41.3
ファイツ
0.0%(0/1)左利き度:29.6
ワイ
50.0%(2/4)左利き度:58.9
--------------------
以上、ボールを投じた手による予想だと
左利きの可能性が高そうなのはラクツ、(パール)
右利きの可能性が高そうなのはイエロー、ルビー、ゴールド
という結果になりました!
そしてこのうち、(今回の記事ではややこしくなるため触れませんが)次回に紹介するデータや作中の描写から考えたところ、ルビーとラクツについてはそれぞれほぼ右利きと左利きと言っても良さそうです。
また、イエローとゴールドも上述の傾向に加えて作中の描写から、右利きの可能性が高そうです。
ここからは少し補足。
詳しくは後述しますが、プラチナはデータ上ではいかにも左利きに見えてしまいますが彼女は作中の描写を見ると右利きだと考えられます。
そうするとこのデータは「右利きゆえ」に出た傾向とも予想でき、これこそデータを見る厄介さであり楽しさだと言えそうです。
また、例えばパールはこの結果だけだと強い傾向とまでは読めませんが、上述の次回のデータを参照すると左利きの可能性が高くなり、
エックスはこのデータだと左利きのようですが、同じく次回のデータを参照すると彼は一転して右利きの傾向が出てくる
など、この記事の結果だけではまだ*2図鑑所有者の利き手について本当のことはほとんどわからないことには注意が必要です。
そしてこれから記事内で何度も繰り返しますが、このデータはデータとしては数が少なく、また分析も別に厳密にやっているわけではないので、
この記事の内容はあくまで「傾向」ぐらいのものとして捉えてくださいね。
結果からの気づき
警視は予想どおり
さて、この調査の目的の一つは、私のかねてよりの疑問であった
「ラクツは本当に左利きなのか?」
を検証することにありました。
52巻の捕獲シーン(p52、p53)で彼は左のアンダースロー*3という漫画でしか見ないような珍しいフォームでボールを投げているのですが、結果はまさにそれを裏付けるものでした。
モンスターボールの大きさから考えると比較対象としては野球が思い浮かびますが、その野球だとアンダースローはただでさえ珍しいフォーム。
しかも左投げとなると…プロ選手を調べてみてもほぼ見当たりません。
そこから考えるに、私は彼のフォームは「独学で身につけたもの」という可能性を推してみたいです。
珍しいフォームはロールモデルも少ない上に指導者に巡りあうのも難しいと聞きますから。
もしそうだとすれば、さすがはミスター・パーフェクトといったところでしょうか。
一応ボールを投げるシーン以外の検証も加えておくと、彼はコインを左手で投げるシーン(52巻、p45)があるので、左利きでほぼ間違いないでしょう。
その後、ダミーのボールを握っているのは右手ですが。(52巻、p48-49)
ラクツは現在とある人物と入れ替わっている疑惑がありますが、そうした際にこの利き手がヒントになる…なんてことがあるかもしれませんね*4。
プラチナは要検証
さて、2位のプラチナですが、ここはデータをうのみにするわけにはいきません。
なぜなら、彼女はペンを握るのは右手だからです。(34巻、p35)(38巻、p112)
では、なぜデータ上では左利きのように見えるかというと、ここにはプラチナの特徴である「ボールを投げずに手のひらの上で開閉」するポケモンの出し方が影響していると考えられます。
彼女はそれを左手で行うことが多く、データではそれが反映されていると見るべきでしょう。
その理由について考えてみたところ、
- 右利きと仮定するなら、利き手(右手)を自由にしておきたい
- 単なるクセ
- 見た目重視、優雅に見えるから?
- ベルリッツ家伝統のフォーム
などが思い浮かびました。
皆さんはいかがでしょうか。
こだわりの強いルビー?
さて、ここからは反対に右利きの可能性の高いトレーナーの検証に参りましょう。
まずは右利きの可能性2位(左利き15位)、ルビーです。
ルビーはボールを投げる以外のシーン(15巻、p76-78)から考えても、右利きで間違いなさそうです。
ここで少し内容に目を向けてみましょう。
いくら対象シーン7回という最低限のサンプル数だったとはいえ、ルビーの左投げ率14.3%は他の図鑑所有者に比べて低すぎです。
その1回もカガリの不意の登場に対してのもので(22巻、p19)、どちらかというとレアケース。
ここから考えるに、美意識の高いルビーのこと、ポケモンだけでなく自身の投げるフォームまでもが計算し尽くされたこだわりのもので、それが偏ったデータとして出ているのかもしれません。
実は右利き寄り?なレッド
さらに、全体のデータについて軽くだけ。
データに混ぜると一人で対象シーンの約15%を占めてしまうレッド*5と、そもそもボールを触るシーンが少なすぎるファイツを除いて導き出した図鑑所有者における平均的なトレーナー像によると、
左で投げる割合は34.8%(96/276)
となり、ばらつきを考慮すると約18〜52%の範囲からどちらかにはみ出すと傾向あり、と“とりあえず”みなしています。
ちなみにルビーに目を戻すと、14.3%は確かに低すぎですが、もし仮に1回左投げのシーンが加わったとすると2/8回となりその割合は25.0%で、平均的な範囲へと収まることになります。
やはりサンプル数の少なさについては常に一考の余地あり、ですね。
全体の平均に話が及んだので、レッドについて。
左利き(両利き)と言われるレッドですが、データを見ると確かに彼は両利きであることは間違いなさそうです。
けれど、両利きとはいえど彼はほんの少しだけですがどうも右利き寄りっぽい傾向(32.0%)があります。
1巻の食事シーン(p53、p105、p109)の持ち手を見ても、右2:左1です。
ただし、その理由については
「がっちり矯正している」
以外にも
「両利きだからこそ戦闘では利き手は温存する傾向にある」
などとも考えられるので、これだけでただちに彼の利き手について何かしらの判断ができるわけではないのも事実です。
プラチナの例もありますしね。
両利きといえば、シルバー、ブルー、グリーン、エメラルドといった“場慣れしている”面々がレッド以上に左〜両利きのような傾向を示しているのが目を引きます*6。
ここからは何だか
「どちらの手でもボールを扱えることで戦闘中の対応力を上げる」
みたいな彼ら彼女らの狙いを感じる…というと深読みしすぎでしょうか。
グリーンとシルバーに関しては単に格好をつけているだけという可能性もありますが、このデータはポケモントレーナーとして高いレベルに近づくと自ずと様々なスキルを身につけていくのを示唆しているようでもあり面白いですね。
特化型トレーナーたち
最後に、イエローとゴールドについて。
この2人が特徴的なのは、それぞれつりざおとキューでもボールを操るという点です。
つりざおは「上に来る持ち手」で、キューは「構え方」でカウントしたところ、ゴールドはなんと右利きの構えが100%!
イエローもほぼ右利きの構えで、ここからは弱点を補うよりもどちらかの側に特化することで長所をより伸ばす、とでもいうようなシルバーらとは反対のアプローチの存在が窺えます。
ちなみに余談ながら、イエローは手で投げるよりもつりざおでボールを扱うシーンの方が多いです。
また、イエローの利き手ですが、鉛筆を右手で握っている(24巻、p187-188)のでおそらく右利きで間違いないでしょう。
さらにもう一個。
ぱっと見これに近い傾向を示すのが、イエローやゴールド同様に独特なアプローチの(足でボールを操る)トレーナーであるクリス。
彼女もまた同じく右利きのような傾向(27.6%)を示していますが、しかし詳細に見ると2人とは違った面白いデータが。
なんと、手と足で分けてみると違う傾向になるのです。
手(スロー)
18.2%(2/11)左利き度:40.3
足(キック)
35.3%(6/17)左利き度:50.3
総数
27.6%(8/29*7)左利き度:45.8
足の方が器用…だと……?
イエローやゴールドから考えると“独自技術”はどちらかに特化する傾向にあるかと思いきや、クリスはその逆で“独自技術”こそバランスよく鍛えているようなのです。
このあたりはシルバーらに通じるものがありそうで、
まさに「捕獲の専門家」、プロです。
まとめ
今回は「投げる手」に注目して考察してみました。
しかしこれはまだ半分で、次回は「ボールを持つ手」について歩を進めてみようと思います。
そこから見えて来るポケスペにおけるトレーナーの傾向とは?
真の右利き/左利きは誰?
お楽しみに。
以下、おまけあるよ!
【ブログ主による再宣伝】
ポケットモンスターSPECIAL62巻が今月8月26日(木)に発売予定!
XY編が描き下ろしありで完結し、ORAS編がスタート!
現在、コロコロイチバン!で剣盾編も連載中。
コロコロイチバン!は毎月21日ごろ発売。物語は大盛り上がり中!
おまけ①調査における問題・限界点
サンプル数の少なさとそれによる偏り
これはもうどーしようもないので、そういうものだと思っていただければ。
また、
基準を単純に平均に求めていいのか
や
どこからを「左利き/右利き」とみなすのか
も正直適当なので、そこも考えようと思ったらいろいろ考えることができるでしょう。
この結果や予想はあくまで「そういう傾向がある」くらいに見ていただくのがちょうど良いと思います。
漫画というメディアにおいてそもそも厳密に予想できるのか
ここかなり重要な要素だと思うのですが、「漫画家はどこまで考えて描いているのか?」という問題があります。
これは別に馬鹿にするだとか、反対に過大評価するとかではなく、考察の際に「ノイズの影響をどの程度考えるのか?」という問題です。
ここのポイントは2点。
一つ目は「左右の間違いはよくあること」。
なので、自戒を込めても言いますが、あらゆる考察において「描写は全て正しい」という前提自体が実はかなり疑わしいものではあるのです。
とはいえこんなことを言い出すとあらゆる話が進まなくなってしまうので、あくまで「広く・優しく・ゆったりと構えておこうね」くらいのニュアンスですけどね。
そして左右のミスなんてものは、漫画における要素の重要度で言えば、どちらかというと「どうでもいいもの」。
そこの整合性が多少取れていなかったとしても、漫画の魅力というものが損なわれることはあまりないでしょう。
二つ目は「漫画というメディアの構造」。
漫画は基本的に右上から左下に向かって進んでいくので、読者の視線もまたそう進みます。
そうなると、漫画における“カメラアングル”には一定の制約が生まれ得ると想像されます。
一般的に
「右側から左側」や「手前から奥」に動くものに読者は「進む/向かっていく」感じを、
反対だと「戻る/向かって来る」感じを受けるとされ、
ボールを投げるという「動きのある動作」がこの影響を受けるのは確実です。
このことを具体的に考えると、
場面によっては左利きのキャラでも右手で投げた方が“映える”シーンがあり得る
ということです。
こうした作品外からの影響が集計にはどの程度混じっているのか?
これは現状検証のしようがないので、わからないとしか言えません。
スポーツ漫画で構図のために投げる手を場面ごとに変える、なんてのは論外でしょうが、ポケスペはスポーツ漫画ではありません。
そして、やはりですが左右の整合性は基本的には「どうでもいいこと」です。
とはいえ、考察しようとするならこうした“ノイズ”の存在は頭に入れておく必要もあるでしょう。
このことからも、いくらデータを集めても出て来るのはやはり傾向であり予測だけ、ということがわかります。
…はい、真面目な話はこれでおしまい!
お疲れ様でした!!
ここからは考察に戻るよ。
どれくらいついてきてくれている人がいるのかなぁ
おまけ②ノースローにまつわる考察
プラチナの多用する「ボールを投げずに手のひらの上で開閉」、これに類する投げ方を私は「ノースロー」と名付けて分類しましたが、このルーツやメリットについて。
これを戦闘中*8に最初に行った図鑑所有者はクリス(10巻、p45)。
クリスは以降も行っており(13巻、p183)、また、徐々に他の図鑑所有者たちもそうしたシーンがあるようになってきます。
このフォームのメリットですが、一つは「制御がしやすい」でしょう。
ゴミをゴミ箱に捨てる場面を考えたらわかりやすいですが、側のゴミ箱に入れるのと10m先のゴミ箱に投げ入れるのとでは、その成功率の差は考えるまでもありません。
それと同じで、ポケモンを狙った場所に出現させようと思ったら投げないのが一番です。
反対にデメリットは「出現位置が限られる」でしょうね。
それを逆説的に示すように、このフォームの多くは自分の側にポケモンを出したい場面で使用されています。
余談ですが、イエローのつりざおやゴールドのキュー、図鑑所有者ではありませんがシバのヌンチャクやキョウの手裏剣、ハヤトのブーメランといった
「投げる以上の距離を出すアプローチ」
はこの逆の
「難易度が高いかわりに出現位置を自由にするアプローチ」
と言えそうです。
おまけ③ホウエン組、カロス組が少ないのはなぜ?
カウントして意外だったのは、章の長さに比してルビー、サファイアの対象シーンの少なさ。
これは
ルビー、サファイアともにポケモンを最初から出しているシーンが多い
というのが理由だと思います。
そしてこれは彼らに限らず、対象シーンの少ないトレーナーも同様でしょう。
この2人のデータは
常にてもちの成長や変化に気を配り、手入れも欠かさないルビー
文明の利器をあまり使いたがらず、放し飼いもしているサファイア
を示唆しているようで、この描写(数)が意識的/無意識的によるものかはわからないですが深読みできて面白いですね。
同様の傾向はダイヤとパールにもあって、彼らの旅も常にポケモンたちに囲まれているイメージが強いです。
最初にはっきりとボールを投げたのはなんと32巻になってからで、DP編始まって3巻目にしてやっとです(32巻、p134)。
他方、エックスとワイですが、彼ら彼女らの場合は道中が危険すぎて、絶えずてもち全開の常時臨戦態勢だったことが影響していそうです。
ワイの対象シーンはぜるぜる捕獲以降に集中していて(60巻、p75、p104、p126、p143)、そこからは
ポケモンをボールにしまうことができない(=ボールを投げる機会のない)、
捕獲に時間を費やす機会も少ない、
いかに気の休まらない旅だったかということが窺えます。
おまけ④エメラルドを最後に…
最後のおまけ。
足の裏にボール、電子空間転送、胸にボール、つりざお、キュー、足…と「投げる」にとどまらない多彩な技術を持つ図鑑所有者たち。
もちろんこれらも条件を満たすものはカウントしましたが、エメラルドを最後に登場しなくなりました。
ダイヤ〜ワイまでは全員が「投げる」が100%。
次はムーンを待たなくてはなりません。
ちなみに、イメージ通りにイエローとクリスは「投げる」よりも「つりざお」や「蹴る」の方が多いという異色のトレーナー。
一方で、キュー使いのゴールドは意外と「投げ」てもいるのです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
よければまた次回にお会いしましょう〜!